Dr.magic 笑いと癒し

医療の場に欠けているものは

大学病院での研修医時代、患者さんはリラックスよりも緊張する場面の方が多く、「笑い」の少なさを感じて いました。
また、医師には威圧的な雰囲気が強くあって、これは改めなくてはいけないなといつも思っていました。
そんな折、趣味で始めたマジックを患者さんの前でやってみたら、「先生は楽しい人だね」と大変喜んでくれ、暗かった病室がばぁーっと 明るくなったんです。
マジックは笑いを運び、緊張感をほぐします。そこから信頼関係も生まれて治療もしやすくなります。

笑顔で明るい雰囲気に

癒しの場がある施設

1996年に開業しましたが、笑いや癒しを提供できる場は「デイケア」で実現できると考えました。
リハビリにマジックを取り入れましたが、最もよかったのが指先を使うことでした。
外傷の後遺症、心身症、リウマチ,脳梗塞後遺症、糖尿病などいろいろな病気に効果がありました。

笑いには自然治癒力があります。
「痛みが減った」「予後がいい」例は数えきれない程あります。
笑いの効能は科学的にも証明されているんですよ。

患者さんとの交流

マジック療法士

マジックを見ることで楽しめ心がリラックスできる、病気でふさぎがちだった心が開かれる、そして不思議な現象を見て驚くことが身体に 免疫力ができるんです。
メンタルケアを必要とする引きこもりの子供や、末期がんの患者さんも、マジックによって心を開いてくれました。

わたしは運動療法士、作業療法士、理学療法士、音楽療法士などと同じ位置づけで「マジック療法士」というものがあってもいいと思っています。
そのために、「マジック療法協会」を立ち上げていろいろな医療現場に派遣して活躍してくれるような人材を育てていく準備をしています。
マジックを通して多くの人々に笑いや癒しを提供する医療を、これからも続けていきたいと思っています。

(伊藤実喜)